アラビアンナイト
あの後、パッと笑顔になった斧田さんが強引にジェイクを勉強部屋へと連れて行き、1人残された私。
さっきまで、全身から火が出そうなくらい熱かったのに、気づけばそれは、いつの間にか冷んやりと冷めてしまっていた。
心の中も熱い炎が燃えたように思えていたのが、斧田さんを見た途端、あの階段下の暗がりで斧田さんに言われた言葉が頭の中に蘇ってきてスッと消えてしまった。
そして、ジェイクがさっき私に言った言葉。
あれはどう受け取ればいいの?
斧田さんから聞いた話では、私は王子としてのジェイクにはふさわしくないんでしょ?
留学中の学生としてのジェイクなら問題なくても、本国に帰った王子としての彼とは大いに問題のある相手。
それはわかっているのに、どうしてジェイクは私にあんな話をしたんだろう?
う〜ん…。
私はかつてないくらい頭をフル回転して考えた。