アラビアンナイト


「うわぁ〜ん!!やっぱり迷惑かけちゃってるんだ!」

再び打ちひしがれそうになって言うと、

「でも、その迷惑を嫌がってるわけではないからいいんだよ」

すごく優しい声が少し離れたところからした。

声の主を探すと、いつの間にか3班の勉強机に紛れていた奏太だった。

「伊藤は健気だなぁ」

奏太の隣にいる瀬川君がしみじみと言ったのに続いて、

「本当にいい男だな、伊藤は!」

なんて茶々を入れる3班の男子達。


< 495 / 713 >

この作品をシェア

pagetop