アラビアンナイト


5年越しで再び重ねられた唇は、5年前と同じで優しかったけれど、あの時ほど簡単には離れていかなかった。

優しい熱がそっと離れていったから、もう終わりだと思ったのに…すぐに戻ってきてもう一度重ねられた。

そしてその後は角度を変えるだけじゃなく、啄ばむようだったり甘噛みされたりと徐々に攻めてこられて…。

「っ、はぁっ、ちょっ…!」

だんだんと息も苦しくなってきた私は、ストップをかけるべくジェイクの胸を押し返して体を遠ざけようとするも、ジェイクは微動だにしない。

それどころか、いつの間にか私の頬にあった手が後頭部に回されていて、がっちりと頭が固定されている。
< 521 / 713 >

この作品をシェア

pagetop