アラビアンナイト


「高藤さん、ちゃんと1人で来たのね」

斧田さんが偉そうに言う。

「約束通り1人で来たんだし、さっさと用件を話して」

私が負けじと言うと、

「あなたには、これからここであることを、ただ見て聞いていてほしいの」

もう1人の女の子(名前がわからないので勝手に女子Aってことにさせてもらおう!)が斧田さんと同じくらい偉そうに言ってきた。

「どういうこと?」

「すぐにわかるはずだから、貴女はこの非常階段の上で静かに待機しててちょうだい」

そう言って非常階段の上を指差す斧田さん。

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