アラビアンナイト


健太は

「そうか」

とだけ言ってから立ち上がり、

「涼介」

と、私の背後に立っていた涼介に声をかけると、そのあとは私の頭の上で涼介に何かを耳打ちしていた。

2人のヒソヒソ話が終わると、涼介が離れていく足音がして、健太が私の横に座り直した。

しばらくの間、自販機コーナーには私のしゃくりあげる声だけが響いていた。

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