アラビアンナイト
で、そのあとはいつも通りというか、奏太、真田君、忍ちゃん、私の4人でしゃべる形になった。
ジェイクが戻ってきた後は5人になったけれど、そこはもちろん斧田さんが黙っているわけもなく。
斧田さんも交えて6人でワイワイと話していたと思ったのに。
いつの間にか出発したクラスの列に連なって歩いているうちに、道幅に沿って徐々に横並びの人数が3人、2人と減っていった。
山道に入ってからは所々1人じゃないと歩けないくらい細いところもあった。
土の道に大小の岩がゴロゴロ埋もれているという本格的な山道を登るようになった頃には会話らしき会話もなく。
ひたすら黙々と歩くくらいの本気の山だし!!
先生たちがやたらと昨日の夜に "しっかり体を休めておけ” って言ってたのはこのためか…。
今更気づいても遅いけど。
はぁ〜、帰りたい。
誰!?こんなスケジュールを考えたのは!!
心の中でブーブー文句を言っていたのがいけなかったのか、岩の上にかかった砂を踏んでしまって、ズルッと滑ってしまった。
「わっ!!」
とっさに傍に生えていた木の枝を掴んでそれ以上滑るのは耐えたけど、逆に枝で手のひらの端がちょっと切れてしまった。