アラビアンナイト
「ぶっ!!なにその叫び声。山の上で "うぎゃ〜” って」
そう言ったあと、ぷぷぷっと肩を震わせて笑っている心友、奏太。
「また私のことバカにしてる〜!」
って怒ってみたけど、さすがの私も "うぎゃ〜” はないな、と思ったので、途中からつられて自分でも笑ってしまった。
「さすがありす、いつも俺の想像の上をいくね」
そう言いながらまだ笑っている奏太を見ながら、ふと考えてしまったのはさっきと同じこと。
もしジェイクと再会していなかったら…ってことだった。
黙ってしまった私を見て、この時の奏太は何かを察したのかもしれない。
「ありす、頂上で30分休憩らしいよ。せっかくだから展望台とか行ってみる?」
と誘われた。