アラビアンナイト


もちろん30分もぼんやりしているより、展望台に行って山からの景色を楽しむ方がずっといい!と思ったので、二つ返事で奏太と展望台に向かうことにした。

……なんだけど……?

ここでさっきの疑問に戻ります。


はて?
なぜ私は今、奏太と2人きりで人気のない雑木林の中にいるのでしょう…?

目の前にはいつになく真剣な顔をした奏太。

対する私は結構マヌケな顔をしているかもしれない。

「あれ?奏太、展望台は?ってか、誰もいないよ?もしかして…まさかの」

”迷子?” って言おうとして奏太に遮られた。

「迷子じゃないよ。ごめんね、展望台に連れて行ってあげれなくて。 
でも、どうしても今、ありすに聞いておきたいことがあったんだ」

少し切なげに切り出されたその言葉に、迷子じゃないってどういうこと!?っていうセリフは喉から出てこなくなった。

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