アラビアンナイト
でも、考えれば考えるほど、自分でも愕然とする事実がある。
さっき、山を登る途中で自問自答しながらたどり着いていた1つの事実。
私には今まで好きになった男の子がいない。
だから、さっき私の初恋がジェイクって思ったんだけど…。
それなのに…もしかしてこの好きって気持ちがホンモノの恋じゃないかもしれないっていうの?
恋をしたことがない私は、なけなしの知識で自分の気持ちを分析してみて、これは恋だという答えを出したんだけど…その分析が間違ってたとか?
「確かに、今までに好きになった人はいないよ?
だからジェイクは私の
は、は…初恋の相手ってことだと思う…」
恥ずかしすぎて消え入りそうな声で反論しつつも、だんだんと自分の気持ちに自信がなくなってきた。
斧田さんにジェイクを取られそうになって嫌だった気持ちとか、ジェイクが私のことを仮初の恋人って考えているのかもしれないと思って苦しくなった気持ちだとか…。
それは私がジェイクに恋してるからだと思っていたけど、違うの?
”恋する”ってことに憧れているところに、タイミングよく好きだって言われて、恋してる気になっているだけってこと?