アラビアンナイト
思わず忍ちゃんの名前を心の中で叫びながら、忍ちゃんの顔を見た。
忍ちゃんなら、私のことを心配してこっちを見てるんじゃないかと思ったのに、私じゃなくてジェイクのことを見てる〜〜!!
でも、その顔はすごく真剣というか睨んでいるのに近かった。
ジェイクも忍ちゃんの視線に気づいたのか、忍ちゃんに一瞬視線を投げかけると、すぐにフッと口許に笑みを浮かべた。
それからスッと立ち上がり、片手で自分のお皿を持つと、もう片方の手で私の手首を掴んだ。
「いこう」
ジェイクが私の手を軽く引っ張って言うから、自然と立ち上がった私。