アラビアンナイト


ドキドキしながら手を持ち上げて、ジェイクの艶やかな黒髪をそっと撫でた。

しばらく私に頭を預けて大人しく撫でられている姿は、可愛い子猫みたいだった。

けれど、不意に顔を上げたかと思うと、ペロリと耳を舐められた。

「ゃあっ!!」

変な声が自分の口から飛び出て、心臓が跳ね上がったかと思うくらいドキンと大きく鳴った。

バッと自分の手で自分の口を塞ぐと、ジェイクの意地悪な笑みが目に飛び込んできた。

「やっぱりオレのもの」

今度はペロリと自分の口の周りを舐めている妖艶な姿に、妖に魅入られた主人公を題材にした漫画が頭の隅を過ぎったのは仕方がないと思う!!

わ、私、いつか食べられちゃう?
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