アラビアンナイト
「ずっといっしょだから」
そう言って、ジェイクが私の顔に、そっと手を添えた。
ジェイクは私に優しいキスを1つ落とすと、
「ありすのわがままはぜんぶきく。
ありすニホンがいいならオレもずっとニホン。
ずっとそばにいる」
困ったように微笑むジェイクを見て、心臓がぎゅっと掴まれたみたいに苦しくなった。
「ダメだよ…。ジェイクは一国の王子なんだから、そんな理由で…私のためだけに日本にいちゃいけないでしょ?」
ポロポロ流れる涙は、自分の覚悟のなさと、苦しいくらいに感じるジェイクの私への優しさのせいで止まりそうになかった。