アラビアンナイト
それなのに
「おうじでも、おうじでなくても、ありすをあきらめるとかない。
ありすがイヤならおうじ、やめてもいい」
簡単にそんなこと言わないで。
「そんなことっ、現実的じゃない!
さっき、サウード王の手伝いをしたいって言ったでしょ!
いざとなったら無理ってなるに決まってるよっ!!」
叫ぶように言いながら立ち上がった私は、ジェイクを振り切って走り出した。
「ありす!!」
ジェイクが後ろから呼び止めたけど、私はわざと人の間をすり抜けるようにして走った。
こんな時にバスケやってて良かったとか思うのってどうなの…。