アラビアンナイト


それなのに

「おうじでも、おうじでなくても、ありすをあきらめるとかない。
ありすがイヤならおうじ、やめてもいい」

簡単にそんなこと言わないで。

「そんなことっ、現実的じゃない!
さっき、サウード王の手伝いをしたいって言ったでしょ!
いざとなったら無理ってなるに決まってるよっ!!」

叫ぶように言いながら立ち上がった私は、ジェイクを振り切って走り出した。

「ありす!!」

ジェイクが後ろから呼び止めたけど、私はわざと人の間をすり抜けるようにして走った。

こんな時にバスケやってて良かったとか思うのってどうなの…。

< 664 / 713 >

この作品をシェア

pagetop