アラビアンナイト
まぁ、私の席が廊下側の列の真ん中だから、教室の前のドアから入ってきてすぐに座っちゃえば、窓際の列の後ろの方を見ることなんてまずないもんね。
気づかなくても不思議じゃないか。
そんなことを考えてる間にも、彼らが移動するのに合わせて教室中の視線が動き、彼らが座ると全員の目がそこに釘付け。
「おいおい、お前ら…」
小笠原先生も、その光景を見て苦笑している。
それでも、さすがは小笠原先生とでも言うべきかな。
「それじゃあ出席を取るから、ちゃんと前を向け!
2人を見るのもしゃべるのも、休み時間になってからにしろ!!」
パンと手を叩いて、みんなの意識を前に向けると、いつも通りに出席を取っていく。