アラビアンナイト



立ち上がって、まっすぐにこちらを見た彼は、そのまま静かに私の前まで歩いてきた。

「ゴクン」

自分の喉が変な音を立てて息を飲んだのがわかる。

な、何!?
わ、わ、私に、な、なにか用があるとか?

心の中でさえ、いっぱいいっぱい…。

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