アラビアンナイト


それでもやっぱり考えてしまうのは、ジェイク君はもしかしてあの時の男の子?ってこと。

視線を逸らすことさえ許してもらえない強い力をもった瞳は、たった1度、それもほんの僅かな時間を共に過ごしただけの、あの少年の記憶を強烈に思い起こさせた。

「あ、の…もしかして…」

なけなしの勇気を振り絞って、”あの時の少年は貴方ですか?” …そう質問しようとしたのに。

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