できちゃった出産【ベリカフェ版】
 そういえば、私が妊婦だった当時はマタニティマークってわりと大きめで「よく目につく」ものだったと思います。でも、逆に今は小さくなっているようですね。つけることを躊躇する妊婦さんもいると聞きました。

 マークをつけていることで、不快な思いをさせられたり傷つけられたりするくらいなら、いっそつけないほうがいい、と……。なんですかねぇ、どうしてこういう優しくない世の中になっちゃったんですかね。

 私はつけていて欲しいなと思いますよ。というか、つけておいてもらえると、周りとしてはわかりやすくて助かります。私自身も特に妊娠初期の頃はつけるようにしていました。

 例えば、もし倒れたりしたとき――周りの人の善意に頼らざるを得ないわけですが、妊婦というのがすぐにわかったほうが絶対にいいですよね。お腹が目立たない初期の頃って、ほんっとわかりませんし。

 また、これはちょっと余談ですが――お腹が大きい人を見て「妊婦さん……だよね???」と、ちょーっと迷うこともなきにしもあらずでして(汗) とにかく、わかりやすいに越したことはない。少なくとも、私個人はそう思って見ております。

 妊婦さんたちって、決して「優遇」を主張してあのマークをつけているわけじゃないと思います(思いたい……)。万一のときを考えて自分ができること。マタニティマークをつけるのは、その一つなのではないでしょうか。

 けれども、残念ながら中にはちょっとおかしな人もいるそうで……。「私は妊婦様よ」的な非常識な態度に、不愉快な思いをさせられたり、迷惑をかけられたという投稿もネットでけっこう見かけます。

 けど、周囲の人に迷惑をかけないように、不快な思いをさせないようにと、一生懸命に気を遣っている人もたくさんいると思うのです。本当は、頑張りを求めるのではなく、もっと自然に「配慮」ができる優しい世の中だったらいいのに……。

 ちなみに、私がマタニティマークを入手したのは最寄駅の事務室でした。対応してくださったのは割と若い男性の駅員さんだったのですが、ちょっと印象に残っているんですよね。

 私がおずおずと「マタニティマークをいただけると聞いたのですが……」とたずねると、駅員さんは「はいっ、ただいまお持ちいたしますね」とシャキシャキ用意してくれました。そして、私が「ありがとうございます」とお礼を言うと、その駅員さんは「いえっ、ありがとうございますっ」と――。

 そのときの表情が、とっても優しかったんですよ。それでですね、すごく温かい気持ちになって、なんだか元気が出たんです。

 妊娠している間、こういった何気ない優しさに救われたことがずいぶんありました。いや、その頃に限らず今でもそうでしょうね。子育てはしんどいことが多いです。周りに迷惑をかけないようにと頑張っていても、うまくいかないことが多々あります。子どもって大人の思い通りにはいかないことが多いから。

 でも、それを善意や慈愛の目をもって見守り助けてくれる人もいる。やるせない気持ちで涙を飲まざるを得ないことがあるのも本当だけれど、優しい人たちがいるというのも本当なのです。

 そういえば、あのマタニティマークはどこへいったのだろう??? お、思い出せません……(汗)
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