できちゃった出産【ベリカフェ版】
 しかしながら、悪気がなかったとしても、やられて困るものは困るし、不愉快なものは不愉快だし、迷惑なものは迷惑です。

 「何で子ども作らないの? できないの? ずぇったいに早く子ども作ったほうがいいって!」と、言われるだけでも鬱陶しいのに、大きな声で“デキやすい体位”のレクチャーなんてされたときにはもう不愉快で仕方がないですよね。

 頼んでもいないのに、赤ちゃんの写真をこれでもかという頻度で送りつけられても、困惑するばかりで迷惑でしょう。

 また、いくら妊娠・出産がおめでたいことだからといって、報告をするときには相手の状況に配慮する必要があるはずです。

 闘病中の人や、お身内に不幸があったばかりの方に対して「幸せのおすそわけです♪これで元気だして!癒されて!」なんて軽々しく言うのはデリカシーが無さすぎます。

 不妊で悩んでいる人や、流産をした人に対して、事情を知っているにもかかわらず「子どもは早いほうがいい」などと得意げに言うのもなしでしょう。

 妊娠しているときはホルモンの分泌も通常とは違いますし、その影響で精神的にも少し特殊な状態になってしまうのかもしれません。だからといって、すべてのことが許されるわけがない。当たり前のことなのに、それさえもわからなくなってしまうのがマタニティハイなのかもしれません……。

 ただ、SNSなどの投稿について目くじらを立てるのは敏感すぎる気もします。こういう言い方もなんですが、そもそも、SNSみたいなものって「自己満足のために、自分語りをしてもいい、独りよがりのツール」ではないのかと……。

 特定の個人を攻撃するような投稿は論外ですが、エコー画像をアップしまくったり、ドリーミーなポエムを披露したり、「妊娠出産こそ女の幸せ」という持論を熱く語ったりするのは、基本的にはすべて自由なのではないでしょうか。

 もちろん、閲覧した人がどのように感じてどう捉えるかというのも自由です。共感できないものに、無理に共感する必要はありませんし。

 発信する側がもっとデリカシーを持って投稿すべきだという意見もあるかもしれません。ですが、閲覧する人が不特定多数の場合、全員の状況に配慮するのは現実的には不可能ですよね。

 つまるところ、不愉快になるような投稿は見ないようにするしかないかと。そうはいっても、破壊力(苦笑)のある投稿をうっかり目にしてしまうこともあるわけで……。そのときのダメージといったら、けっこう半端なかったりするのですが(汗)

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