できちゃった出産【ベリカフェ版】
 結局、授乳指導については再度受けさせてもらいました(別の人が担当の回に)。だって、私の乳首はポンコツだという評価以外、何ひとつ教えてもらえなかったので(汗)。

ちなみに、他の看護師さんや助産師さんの指導の仕方はまったく違いましたよ。ずーっと胸ポローンのままとかじゃなかったし。配布テキストにそって具体的に、質疑応答をしながら丁寧に進められました。マッサージのことだけでなくて、搾乳や乳腺炎のことなんかの説明もあったし。

 乳首にダメ出しした看護師さんも(苦笑)、悪い人じゃないんだろうなと思いますよ。よくはわかりませんが、昔ながらのやり方ってのはああいうもんだったのかもしれませんし。でもなぁ、その一点張りでいいんですかねぇ。

もちろん、いろんなキャラクターの看護師さんや助産師さんがいらっしゃるのは当然で、それはいいことだと思うんです。ベテランにはベテランならではの知識と経験というのがあるのでしょうし。ただ、時代は変わるものですから。変わりゆく変化を敏感に捉える感受性や、それに対応する柔軟性は必要ではないかと思うのです。

そういえば、同室のママさんがその看護師さんに“有難いお説教”的なことをされていたようで……。「両親が近居しているなんて恵まれている」とか、「昔は哺乳瓶をいちいち煮沸消毒して大変だった」とか、「若いうちに産めたあなたは幸せだ」とか、いろいろ言われていたんですね。

で、極めつけの言葉が「まあねぇ、いろんなことを言う人がいるとは思うけど。自分をしっかり持って頑張って!」と……(汗)。

 妊娠・出産ってなぁ。医師と看護師と助産師、歯科衛生士と栄養士、保健師――専門家たちがそれぞれの立場でモノを言ったりもするから。皆さんそれぞれ言うことがまちまちで「誰の何を信じりゃいいの?」ということもありました(汗)。

 そうそう、看護師さんの中にこんな人がいたんです。質問をすると、ヒントはくれるけど絶対に答えはくれない人(笑)。「ま、お母さんが決めてください」と、最後は必ずこの言葉でしめるわけですよ(苦笑)。

 今思うと、厳しくてあったかい看護師さんですよね。だって、退院したらもう近くに頼れる人はいなくて、自力で解決しなきゃならないわけですから。自身で決めて行動する力とでもいいましょうか。育児におけるそれを学ばせてくれていたんだなぁと思います。


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