できちゃった出産【ベリカフェ版】

 そうそう、今思うと「私ってほんっとしょーもねぇなぁ」というエピソードなんですけどね。授乳室で授乳をしていたときのことです。熱心に哺乳する我が子を観察しつつ、私は言いました。

「フッ、今はこうして私の乳首なんぞ吸ってるけど、そのうちキレイなお姉ちゃんの胸を求めて旅立っていくんですよね」

ザ・母性ゼロ……(苦笑)。一般的には「一生懸命におっぱいを飲んでる赤ちゃんに愛おしさがあふれてくる」という場面なのかもしれませんが……ねぇ? でもね、さすがはSさんですよ。ちっとも動じませんでしたとも。

「いやいやいや。玉木さん、まだそれ先の話ですから(爆)。ちょっと先? んー、いやまだうんと先かなぁ(笑)」

朗らかに笑うSさんの笑顔に、私はどれほどの元気をもらったことでしょう。

病院側としては「実習に協力してくれてありがとう」なのかもしれませんが、私としては「こちらこそありがとう」と言いたいくらいでした。ちょうどSさんの学校の先生が実習先の様子を見にいらしていたので、どれほどお世話になって感謝しているかを余すことなく伝えた私ですよ!

 退院のときも、Sさんは玄関まで見送ってくださいました。そして、私と息子のそれぞれに宛ててお手紙をくださったんです。私へ手紙には、実習への協力に対する感謝とともに、こんなことが書いてありました。

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玉木さんは我慢をしてしまう人だから。どうか頑張りすぎないで、自分を労わってあげることも忘れないでくださいね。私は玉木さんのユニークなところが大好きでしたよ♪

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自宅の寝室で(そう、もう病室ではありません)この手紙を読んで、私が涙したのは言うまでもありません。
 Sさん、今頃はきっと助産師さんとして活躍されていることでしょう。もちろん、授乳指導ではダメだしではなく的確なアドバイスをしているに違いない(爆)。

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