できちゃった出産【ベリカフェ版】
 育児の最大のストレスって「思い通りにならないことばかり」という点にあるのではないでしょうか? 子どもが乳幼児の間は、ほぼ完全に子どものペースですからね。「私」の意思なんて尊重しようがないというか、採用の余地がないわけですよ。そこへ来て、頼んだ通りに動かない夫ですよ……。

 夫は夫で、カリカリする私を見て「誰もやらないなんて言ってない。やると言ったじゃないか」と。けどそれだって、私からすりゃあ「あ? でも実際やってねえし。マンガ読んでんじゃん」と。支援というのは必要なタイミングで介入してくれてこそですからね……。

 まあねぇ、私がもっと具体的に説明と指示だしをすればよかったんでしょうけどね。「タイミングを逃すと面倒だから今すぐお風呂入れるよ」とか、「お風呂は私が準備するから、着替えをお願いね」とか。

 でも、ひょっとしたら――そのときは、あえてそうしたくない自分がいたのかも。夫に対して「育児は“手伝う”ものではなく、あなたの仕事でもあるはずざましょ? その認識があれば、言われなくても主体的に考えて行動できるんじゃございません?」みたいな(苦笑)。

 ちなみに、育児中のママが夫に言われてムカつく言葉の上位にあるのが「僕も手伝うよ」だそうです(爆)。そりゃそうですよね。「いや、手伝うとかじゃなくて。この仕事、おまえの仕事でもあるからヨロ」って話ですよ。

 それでも、私は恵まれていましたからね。母は一貫しておおらかでいてくれましたし。妹は妹で、誰かの味方ではなく皆の味方として中立でいてくれました。私、妹の忠告は素直に受け止めることができましたもん。

 やっぱり大人の目がたくさんあるというのは大切です。新生児を守る(生かす)という重圧は、母になりたての女性ひとりでは、とても耐えられるものではありません。都会のマンションに母子だけという状況、個人的にはとても心配に思います。ずっと独りで赤ん坊を抱いたまま、崖っぷちに立っているようなものですよ。

 人間って、動物たちのように産んだ途端に本能が目覚めて、自動的に赤ん坊の世話ができるとかじゃないですからね。まあ、動物の中にも育児にちっとも関心が向かずに放棄してしまう母親がいるそうですが……。そんな話を他人事だと思えない私なのでした(苦笑)。

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