できちゃった出産【ベリカフェ版】
 私ね、息子と一緒に暮らしていて今ではこんなふうに思うんです。「ああ、この人おもしろいなぁ。この人いいなぁ。この人好きだなぁ」って。でも、そう思えることってとても幸運なんだろうなって。息子が私を好きだと思ってくれることも、あたりまえじゃなくて、やっぱり幸運で光栄なことなのだと。

 結果的に私は子どもを産んでよかったと思っています。でも、私は運がよかっただけかもしれない。そう、ただ単に運がよかっただけ……。そんなふうに思う自分もいるのですよね。

だから、たとえ自分が子どもを産んでよかった――子どもが生まれてきてくれてよかったと思っていても、他の人に「子どもはいいよ~」なんて勧めることができない。これもまた、母性を持たない人の思考回路とでもいいましょうか(苦笑)。

 しつこいようですが、私はおそらく母性を持ち合わせていない人間です。それでも、筆頭協力者として、縁あって我が家へきてくれた彼の人生に関わりたい。彼の物語を見ていきたい。そう、心から願っています。

 我が家は相変わらずの「へっぽこパーティ」です(笑)。魔法使いはトシのせいか大事な呪文を忘れてしまうこともしばしば……。猫もずいぶんお年寄りになりました。戦士も白髪が増えましたよ。若くて元気なのは勇者だけ(苦笑)。

それでもまだまだ冒険の旅は続きます。勇者がこのパーティを離脱して新しい旅へ発つそのときまで、「あたしもまだまだ死ねねぇなぁ」と真剣に思うポンコツ魔法使いなのでした――。




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