祈り
はっきり言って俺は真面目なほうじゃない。

問題児とは言わないが少し手のかかる生徒だった。

去年の体育祭もめんどくさくてサボった。

屋上で煙草を吸いながらグラウンドを眺めていた。

「なぁ准。あの子かわいくね?」

俺の隣には親友の新がいつもいた。

「どの子?」

「あれ。お団子にしてる子。」

「お団子なんていっぱいいて見分けつかねぇよ。」

俺の言葉に新はムキになっていた。

「だからあの子だって!!赤いはちまきした子!!隣にふたつ結びに子がいる子。」

「あぁ分かった!!俺、お前と趣味違うわ。」

「は?」

「隣の子のほうがかわいくね?」

「そうか?」

このかわいいと思った子が美香だった。

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