秘め恋*story10~兄の部屋で…~
それは一瞬の出来事で…
見上げれば、私をベットに張りつけて不敵に笑う周平。
こんな展開は予想もしてなかった!
何、このマンガみたいな展開。
というか、やばい。
周平にドキドキしてる私がいる。
おかしいよ、あの顔だけイケメンの残念な……
「莉子…。」
ほら、名前で呼んだだけなのに…
「…ん、ひゃぁ…」
周平は私の首筋へキスを落とした。
初めての感覚に変な声出た…/////
「可愛い声出すなよ。」
「だ、だって…」
み、耳元で囁かないでよっ…
うわぁ~きっと今私顔真っ赤だよ~。。
「分かったかよ、俺がお前にこんな事とかもっと色々したくなるってこと。」
「わわ、分かったけどっ…」
急な展開に頭がついてかないってば。
「あんなチビなチビ子だったのにな。」
「チビ子って言うなっ。………んむっ。」
私のあごをむにゅっと掴むと、ニヤリと笑った周平。
「…イイ女になるなんて、ずるいぞ。」
そのまま、チュッと唇を奪われた。
あ、嫌じゃない。
あれ?もしかして、私…周平の事、す………
――――ピロロロン、ピロロロン
ちょうど私の顔の横にあるスマホが着信を知らせる。
「チッ………男のくせに、しつこいな。
………はい、もしもし?」
誰…………って、おいーーーー!!
何勝手に人の電話出てんのーー!!
「ちょ、っと、何勝手にっ!」
スマホを奪い返そうとしたけど、必殺スマホ高い高いをされてどうしようもなく…
睨んでやると、周平はそのまま通話になってるスマホを耳に当てると…
「悪いけど、莉子は俺のなんで諦めてくれ。じゃ。」
躊躇いもなく、ブチッと通話を終了した。
何か言ってやろうと思うのに、そんなことより周平の
『莉子は俺のなんで』
そんな台詞のせいで、何にも言えなくなった。
ばかばか、周平。
好きになっちゃうじゃん、そんな風に言われたら。
「最悪っ。せっかく彼氏できるとこだったのに。」
「はぁ?チビ子は俺のもんになってんだよ。」
「またチビ子って言うし!
というか、まだ私周平のもんになるなんて言ってないし!」
「もう決まってんだよ。」
「年上は好みじゃないしっ!」
――――――ぼふっ。
またベットに押し倒された私。
「…ばーか、素直にならないと
さっきよりもっと凄いキスすんぞ。」
その一言で真っ赤になって黙った私に、勝ち誇った笑みを浮かべた周平。
「俺は莉子が好きだ。………俺のこと、好きだろ?」
……好きになっちゃったよ、ばーか。
結婚相手から探さなきゃいけないんでしょ?
仕方ないなぁ、私がその相手になってあげる。
「…好きだよ、ばーか。」
*end