秘め恋*story10~兄の部屋で…~
ナナと別れた後、家に帰る道を歩いてると…
――――ポッ…ポツ………
わ、雨??
まさかの雨に家へと走った。
最悪~、天気予報全然外れてるし!
「うわ~、びしょびしょ。」
家に着いた頃にはどしゃ降りで、足の速くない私はすでに全身びしょ濡れで…
「ただいまー。最悪だよ~、めっちゃどしゃ降り~。」
―――――シーン…
あれ?お母さん、買い物??
家には誰もいなかった。
ま、いっか。お風呂~。
――――――――――……
ついでにお風呂に浸かりながら、『私の夏休み全力で楽しんでやる計画』を練っていた。
だって夏休みだよ?勉強だけで終わるなんてもったいなさすぎでしょ?
ナナと遊び尽くしたいし、ひと夏の燃えるような恋的なこともあるかもしれないし、あわよくば彼氏できたり?
わぁー、学生サイコー!夏休みサイコー!
っと、ヤバい。そろそろ出なきゃのぼせちゃう。。
ザバァッと湯船から出ようとしたその時…
――――――――ガラッ…
浴室の戸が開いた……
え?
湯船から上半身を出したまま、固まってしまった。
「あ…………………わりぃ。」
――――――――――ガラッ…………ピシ。
その一言を残して、浴室の戸は閉まった。
はい?今のって…え??
固まっていた思考が戻ってきた途端、
「キャーーーーッ!!!」
叫ぶとか通り越して、発狂していた。
そして、長風呂が効いてしまった……
クラっとした時には、すでに時すでに遅し。
湯船の中へ沈んだ。
それからの記憶はぶっ飛んだ。
微かに覚えてるのは、何だか逞しい腕にしがみついていたこと…