溺愛されてもわからない!
それから学校でも
夢君と一歩近づけた気分。
ドキドキしながら
ヘッドホンで音楽を聴く
夢君の机の横をゆっくり歩きながら
下手な演技でさりげなく顔を覗き
「おばあさんの足はどう?」って聞くと
「もう大丈夫」って、ヘッドホンを外して答えてくれた。
愛美ちゃんが遠くからその様子を見て驚いていた。
目立った行動はなくても
夢君の存在は教室では大きいらしい。
ケンカが強くて
群れなくて
怖い存在だけど信頼は厚い男子。
平民タヌキが身分をわきまえず
ライオンなる王に話しかけた……図?
きっと周りも驚いてたかな。
私の事を気に入らない人達の目が刺さる。
学校で自分から話しかけるのはやめよう。
「また食べに来いよ」
「うん。美味しいから行く」
「ばぁちゃんに言っとくわ」
ちょっと笑ってくれた
幸せだなぁ。