溺愛されてもわからない!
振り返ると
真面目な顔で私に頭を下げていた。
「一夜さんはいつも強がりポーカーフェイスで、仕事に忙しい組長の代わりに月夜ぼっちゃんの面倒を見てきました。その分、人に甘える事もせず心の中はとても淋しい方だと思うのです。優しくて繊細で淋しさを女性の方々との遊びで満たしておりますが、実は心の中は満たされておりません。留守の間、一夜さんをよろしくお願いいたします」
いや
だから
私の心配をして下さいよ。
ってゆーか
田中さんまで月夜と同じ事を言う。
私から見る一夜と
本当の一夜は
違うのだろうか。
「田中さん。でも、一夜は……」
どんだけ私の前でエロいか
明日からの留守番で、私が襲われる可能性99%なんですけど
切実に訴えようと思ったら
田中さんの携帯が鳴る。
田中さんは目つきを鋭くして
私を手で制し
金髪の髪を揺らし電話で会話。
「……深く穴を掘って、一度その穴に入れてから吐かせろ。少し土を入れたら話すだろう。残りは……船に乗せろ、臓器はそろってるか聞け。女はいないのか?あ、ちょっと待て……すみれさん。すいません仕事が入りました。本当に申し訳ありません。何かあれば連絡下さい。一応、冷凍庫に自分が作ったタンシチューとハンバーグが入っております。くれぐれも一夜さんをよろしくお願いいたします」
って
去ってしまった田中さん。