溺愛されてもわからない!

次の日の朝

学校へ行く前
和彦さんとお母さんが玄関までお見送り。

「留守を頼みます。一夜を頼みます」
和彦さんに真剣に言われてしまった。

「和彦さんもお母さんを頼みます。お母さんは余計な話は一切しないで、ただ笑顔で和彦さんの横にいる事。わかった?」
和彦さんのお願いを無視して
私はお母さんにしっかり念を押す。

大親分に気に入られなくて
和彦さんと別れさせられるのか

逆に気に入られて
大親分の愛人にされるのか

両方嫌だよ。
その真ん中目指して無事に帰って来てね。
和彦さんも田中さんも付いてるから大丈夫とは思うけどさ。

この日の為に和彦さんが買ってくれた、椿柄の白い着物がよく似合う。

頑張って行ってらっしゃい。

私も頑張るからね。

月夜の貸してくれたモモンガ怪獣と一緒に寝よう。
一夜が襲って来たら
モモンガ突き刺してやる。





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