溺愛されてもわからない!
「明日は、ばーちゃん帰って来るから無理だけど、今夜はひとりだから大丈夫。すみれが不安なら泊まってやるよ」
「いいの?」
「そっちこそいいのか?」
「何が?」
「俺がすみれに何するか、わかんないぞ」
「えっ?えっ?え?えーっ?」
「俺を誘って後悔するなよ」
「夢君」
「用意してから行くわ」
夢君は大きな手で私の頭をまたポンポン叩いて
先に素早く行ってしまい
赤い髪が人混みに溶けてしまった。
あぁ
なんてこった私。
これも授業で習った
ひょうたんからコマ?
だよね。
ひょうたんから豆?じゃないよね。
なんでもいいや
つい出た一言がこんな事になるなんて
今日は三人でお泊り。
『俺がすみれに何するか、わかんないぞ』って……何!
どっちにしろ危険?
いやこんなタヌキちゃんを夢君がそんなそんな……ねぇ。
ねぇ。
てか本当に来るの?
一夜に何て言おう。