溺愛されてもわからない!

「一夜が襲うわけないじゃんって思うけど。俺も今日ばーちゃん留守でひとりだし、邪魔なら帰るけど」

「いや別にいいよ。タンシチューじゃ足りないからハンバーグも解凍しよう。すみれちゃんは着替えておいで」

「ハンバーグいいね」

「夢も手伝えよ」

「はーい」

どうなるこったと思ったけれど
ふたりでそんな会話をして
台所に並んでるし。

私は逃げるように二階へ行こうとすると

「すみれちゃんは風呂掃除してきて。あとから3人で入るから」

「それいいねー」

仲良くふたりで私にそう言う。

ゲッ!
私はさりげなく台所の一夜を覗き見すると
すんごい怖い顔で私をにらんでる
泣けるぜ。

つい半泣きの顔を見せたら
一夜はぷっと吹き出して笑い

「許してやるから早く着替えておいで」
いつもの声で言ってくれた。

あーよかった。
勝手に夢君を家に泊まるように誘い
一夜を信用しなかったから
どんだけ怒られるかと思ったら

いつもみたいに笑ってくれた。

王子様笑顔復活。

みんなで仲良くお泊り会だね。

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