溺愛されてもわからない!

その夜は田中さんの絶品タンシチューとハンバーグ。
一夜が作ったサラダの夕食。

美味しかった。
田中さんって何でもできるんだね。
スゴい。

お腹いっぱいで満足してると
一夜の携帯が鳴る。
また女の子からかな
さっきから何度も電話きてるし

やっぱモテるんだよね。

「あ、椿さん?」

お母さん?
なんで私じゃなくて一夜に電話?

「ええ大丈夫。そっちはどうですか?月夜は迷惑かけてません?……へぇそうなんだ。さすが椿さん。そうか……えぇ?」

爆笑してる。
何?何があったの?代わってよ。
ボールを狙うバスケット選手みたいに、一夜にまとわりついてスマホを狙うけど、背の高い一夜は見事にスルーしてお母さんと会話を楽しむ。

「こっちは大丈夫ですよ。すみれちゃんがお友達を連れてきましてね。今日は三人です。さっき夕食も終わりました。夢って子なんですけどね、こいつが……」

「うわぁーーー!」
やめてやめて
夢君が男の子ってバレたら
お母さんはごまかせるけど、田中さんに背中から撃たれるよ。
家族が留守の間に男の子呼んでるのばヤバい。

ってゆーか
本当に私って
何も考えないで行動してるよ。
いや
これもそれもあれも
ムダにエロい一夜が悪い。
一夜が私をからかうから、こんな事になるんだよ。

って自分を正当化して慰めちゃう。
< 125 / 442 >

この作品をシェア

pagetop