溺愛されてもわからない!
「貸してっ」
私はジャンプして一夜の手から携帯を奪い
お母さんと会話。
「お母さん。大丈夫?」
『あらすみれ。こっちは大丈夫よ。お友達が泊まりに来てるのね。夢ちゃんって名前なの?可愛い名前ね』
「うん」
名前は可愛いけど
赤い髪したデカい男の子ですけどね。
「あの、親分さん……じゃなくて、親戚の偉い人と仲良くなれた?」
愛人にされても
和彦さんと離婚させられても困る
いい感じで気に入られて欲しい。
『仲良くなれたから大丈夫。とっても皆さんいい人達で礼儀正しくて、ズラーッと皆さん黒い服で並んでいてね、お母さんビックリしちゃった』
大親分さんだから
組員さん多いんだよ。
『和彦さんと仲良く過ごしなさいって言ってもらったから安心』
よかった。合格だった。
「月夜は?」
『疲れてお母さんのひざの上で寝てる。汗かいて風邪ひかないか心配』
甘えて寝てるんだ。
可愛いヤツだな。
『一夜君と夢ちゃんによろしく。お母さんこれから和彦さんとおでかけなの』
「うん。早く帰って来てね。てかどうして私に電話しないで一夜にするの?」
『一夜君を信頼してるから。一夜君に電話したの』
お母さんはクスクスと笑ってそう言い、私との電話を切った。
私だけ信頼してなかったのかな。
ちょっと反省。