溺愛されてもわからない!

「兄貴がいるけど」

「そうかお兄さんがいるんだ」

弟がこれなら
兄貴はどんなもんだろう。

「お兄ちゃんいくつ?」

「一年生」

一年生。
月夜君が幼稚園児だから
兄貴は小学校一年生。
もしくは……中学一年。

中学一年なら微妙なお年頃だな。
小学生ならいいな。
いや
中学生の方が会話ができるか。

お母さんの為にも自分の為にも
月夜君兄弟とは仲良くなりたい。

「お兄ちゃんのお名前は?」

「黙れブス」

「お名前教えて?」

私はニッコリ笑いながら
ゲンコツを月夜の頭のてっぺんにセット。

「教えないと遠慮なくいくわよ。お姉ちゃんは田舎で熊も素手で倒してるんだから」

ちょっと盛った。ごめん。
でも脅しではない
夢のある想像の世界を広げてるだけです。

意外と自分がガマンできない体質というのを、今になって知った。

自覚させてくれて
ありがとう幼稚園児。



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