溺愛されてもわからない!

『テスト勉強するから』と、私は台所が終わると自分の部屋に行く。

一応
机の上に教科書とノートとプリント出して
ヤル気を見せたけど
頭に入らない。

バカだから?うん……それもあるけど
頭の中がモンモンしてる。

この家族不在の二泊三日は濃い。
濃すぎる。

私の理想の展開は
夢君が泊まりに来て
3人でウキウキワイワイ笑顔がいっぱいで、夢君と接近できて、それを一夜に伝えたら『よかったね』って言ってくれてのハッピーエンド。

正解っちゃー正解だけど
何か違う。

なーんか……ちがーう。

『無防備になるのは、俺の目の前だけにしろ』
『気になる女の子が隣で寝てるんだぞ、寝れるワケないじゃん』

夢君の声が脳内で響いてる。
嬉しかった。フワフワした。

そのくせ
一夜に聞かれた私の夢君の想い。
素直に言ったら不機嫌顔された。
自分から聞いておいて

『すみれちゃんは誰よりも可愛いよ。僕の大切な女の子』てな事を言う。

脳みそ少ないのに頭壊れる。

ぐぃーんと背中をそらして「もーっ!」って叫んだらノックの音。

「叫び声聞こえたけど」と、一夜が入ってきた。
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