溺愛されてもわからない!

目を閉じたら
化学記号がグルグルしてます。
もういいじゃん
窒素大切
酸素大切
水大切。それが一番。

別にマグネシウムを燃やす機会ないし。
部屋で燃やさないし。
酸化マグネシウム使わないし

「水を電気分解したら美味しくなりますかぁ?」

「すみれちゃん」

「はい」もう目がうつろですよ。

「また頑張ろうね」
午前4時でもスッキリしている一夜君。
なんでー?てか
またって何?ハード過ぎます。

もうダメ。おやすみなさい。
ズルズルとベッドにはいずり
布団に入らずそのまま目を閉じた。

「風邪ひくよ」
クスクスと楽しそうに笑う声。

優しい声。

そっとブランケットが身体にかけられ

そっと

一夜の香りが降りてきて

頬に彼の唇が重なる。


そしてもう私は夢の中。



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