溺愛されてもわからない!
ベッドから落とされた一夜は「痛い」と、大騒ぎ。
ひ弱な都会っ子。
「人がせっかく慰めてやってるのに」
「接近しすぎだよ」
「弱ってるからヤレるかなーって思ったのに」
「本当に最低!」
近くにあるクッションを一夜の顔にぶつけると
「元気になってよかった」って、しみじみと言われてしまった。
心配かけた
ごめんね。
「きっとみんなも心配してる。後からおいで」
「うん」
「また何か困ったら話して。僕はすみれちゃんの味方だからね。それを絶対忘れないで」
「ありがとう」
一夜が部屋を出て
私はカーテンを閉じて電気を点ける。
まだ部屋に一夜のいい香りが残ってた。
ありがとう。
きっと方法はあるはず。
私の気持ち
雫さんの気持ち
どうすればいいか考えよう。
素直に雫さんに私の気持ちを伝えよう。
まだ私は夢君と付き合うとか、そんな具体的な話は出てない。
夢君にとっては
ただの友達だろう。
だからまだ雫さんと私は同じラインだと思うから。
いや私の方が負けてるけどね。
でも私と夢君は接近してる。
今の状況も伝えた方がフェアだろう
でも言わなくていい事もあるかもしれない
考えよう。ない頭で考えよう。
きっと方法はある……と、信じよう。