溺愛されてもわからない!

「そーゆー事なんだよ。同じ」

月夜の心は私の心。
私の正直な気持ちが、今の月夜の気持ち。

「私も月夜が大好き。和彦さんもお母さんも一夜も……」
一夜も……の、あとが続かない。
さっきのキスを思い出して唇が熱くなる。

「みんな月夜が大好き。大切な家族なんだから」

家族なんだよ。

「今度生まれてくる赤ちゃんって、すごいと思わない?生まれてきたら、私達もみんな完璧に繋がるんだよ」

「どうして?」

「だって生まれてくる赤ちゃんは、和彦さんの子だから、月夜と一夜の血の繋がった妹か弟でしょ。そしてお母さんの子だから、私も血の繋がった妹か弟だよね」

「うん」

「私達のみんなが繋がった赤ちゃんなんだよ。すごいと思わない?赤ちゃん産まれたら、私達は完璧な家族でしょ」

「そうなの?」

「そうだよ。今まで月夜は一夜に守ってもらってたんでしょ、今度は月夜が赤ちゃんを守ってあげなきゃ」

「俺が?」

「うん。だってお兄ちゃんだもん」

私が言うと月夜はやっと満足そうな顔をする。
よかったよ。通じたかな。

「みんなで可愛がろう。今よりもっと素敵な家族になろう」

星空の下
私は月夜をもう一度抱きしめる。
冷え切った身体の私達だけど心は温かい。



< 214 / 442 >

この作品をシェア

pagetop