溺愛されてもわからない!
「そーゆー事なんだよ。同じ」
月夜の心は私の心。
私の正直な気持ちが、今の月夜の気持ち。
「私も月夜が大好き。和彦さんもお母さんも一夜も……」
一夜も……の、あとが続かない。
さっきのキスを思い出して唇が熱くなる。
「みんな月夜が大好き。大切な家族なんだから」
家族なんだよ。
「今度生まれてくる赤ちゃんって、すごいと思わない?生まれてきたら、私達もみんな完璧に繋がるんだよ」
「どうして?」
「だって生まれてくる赤ちゃんは、和彦さんの子だから、月夜と一夜の血の繋がった妹か弟でしょ。そしてお母さんの子だから、私も血の繋がった妹か弟だよね」
「うん」
「私達のみんなが繋がった赤ちゃんなんだよ。すごいと思わない?赤ちゃん産まれたら、私達は完璧な家族でしょ」
「そうなの?」
「そうだよ。今まで月夜は一夜に守ってもらってたんでしょ、今度は月夜が赤ちゃんを守ってあげなきゃ」
「俺が?」
「うん。だってお兄ちゃんだもん」
私が言うと月夜はやっと満足そうな顔をする。
よかったよ。通じたかな。
「みんなで可愛がろう。今よりもっと素敵な家族になろう」
星空の下
私は月夜をもう一度抱きしめる。
冷え切った身体の私達だけど心は温かい。