溺愛されてもわからない!

家に帰ると
お母さんがつわりの為に体調不調。
まとわりつく月夜をお母さんから引き離し、夕食作りを手伝わせる。

「体調が悪い時は、ひとりにさせてあげよう」
そう言って
マッシュポテトを作らせてたら

「椿さーん」って廊下を走る組長。
威厳も何もありゃしない。
そしてお母さんの部屋から出て来ない。
心配で仕事抜けて来たな。

「お父さんはいいのかよ」
ぷっくらほっぺをもっとぷっくらさせ、月夜は私に訴える。

「新婚さんだからいいの!」

それしか言えない。

私達用にマッシュポテトでグラタンを作り
チキンサラダの用意をし
お母さん用に鍋焼きうどんを作って、和彦さんと月夜が部屋で食べさせる。争ってるなあの親子。

我が家で一番のお姫様はお母さん。

早くつわりが終わって
元気になりますように。

そして私だ

静かなリビングでスマホを取り出し
雫さんに気持ちを告げた事実を、夢君に報告LINE。

送ってから脱力。

何ていうのか私は贅沢だ。
雫さんに冷たい言葉を言われたのがショックで、落ち込んでる。

もっと雫さんは落ちてるかもしれないのに

傷付けるより
傷付けられる方が楽で似合ってるかも。
不幸体質かっ!
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