溺愛されてもわからない!

「またタメ息してる」

「え?そう?」

タメ息が現金に変わるなら
今日の私は大金持ちだ。

「今日もバイト?」

「うん。あと少し頑張るわ」

「頑張ってね」

ありきたりな会話しかできない。

「今日も行こうか?」

「疲れるからいいよ。大丈夫。あと少しでバイトも終わるでしょ」

「心配だから行く」

「大丈夫」

「別の場所で昨日の続きもしたい」

昨日の続きって……キス?
一気に頬が熱くなる。

「顔が赤い」
笑われてしまった。

「学校で会えるからいいよ。バイト終わるまでガマンする。少し私も反省して罰が必要」
堂々と言ったらまた笑う。

「すみれはM体質?」

「自分ではわかんないよ」
考えた事もない。でも……そうかもしれない。

「一夜はドMなんだって」
会話を繋げようと
私は思い出したように夢君に言う。

「一夜が?」

「うん。ドMって自分で言ってたよ。ウソだよねーどっから見てもドSだよねー」

笑えるネタかなーって話をしたけど、夢君は笑わず嫌な顔をした。

ウケなかった?あれ?
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