溺愛されてもわからない!

ガラスが綺麗になり
満足してたらおばさんが店からやって来た。

「すみれちゃんありがとう。ココアでもおごるわ」って言ってくれた。

らっきー。
遠慮なくカウンターに座って
おばさんのココアをいただく。

「タラコパスタでもいいよ」

「食べたいけどお母さんに怒られるから、ココアにする」

ここのパスタも美味しいんだ。

「組長さん元気?組員さんの話じゃ奥さんにデレデレだって?子供もできたとか?」

「そうなんです。もうデレデレ」

「苦労してるし、近所の私達も助けてもらってるから、組長さんには幸せになってもらいたいね」

愛されてますね。お父様。

おばさんと色々話をしていたら
人手が足りないって話になった。
どうやら
いつも夕方から夜にかけて手伝ってくれている大学生の娘さんが、自動車教習所に通っていて忙しいらしい。

「20日過ぎたら、きっとヒマになるって言ってるんだけど」
ブツブツ言うおばさん。

そしてココアだけじゃなくて
美味しい話がありました。

「おばさん!20日まで時給は安くていいから、何でもやるからバイトさせてっ!」

私はカウンター越しに必死な目をしておばさんに訴え
おばさんは私の気迫に負け

「いいよ」って即答してくれた。
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