溺愛されてもわからない!

夢君と同じパターン。
平日は学校が終わってから
8時までのバイト。
土・日は9時から7時までのバイト。

土・日っても
その貴重な土・日は一回しか入らない。
そしてすぐ20日でバイト終了。

時給はそんなに高くないけど
バイト代が入るのがありがたいし
彩里ちゃんがまた遊びに来て、顔を合わせるのも嫌だし

家に居たくないから。
それに
身体を動かすの好きだし
働くの好き。

その日も日曜のせいか忙しく、私はそのままお手伝い。
途中でお母さんに電話を入れて、おばさんからも話をしてもらいバイト成立。大学生のお姉さんが7時に教習所から戻って来て『すみれちゃん。ありがとー頑張って受かるからねー』って感謝された。こっちこそ感謝です。

そして
田中さんと組員さんが、黒塗りのベンツで迎えに来てくれた。

歩いて帰るのに。

「彩里ちゃんは帰った?」
助手席の田中さんに聞くと

「6時頃帰りました」
サラッと返事してくれた。

そうか
けっこう居たんだね。

「下に降りてこられて、月夜ぼっちゃんと遊び、組長と椿姐さんとお話もしてました」

和やかだね。

「楽しそうだった?」
寂しそうに聞くと

「とても楽しそうでした」

クールに答えてくれた。

すっかり気に入られたね。

私は邪魔者みたい。




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