溺愛されてもわからない!

「うっ……うん。いるよ」
彼氏と言っていいのかな
雫さんとの事があって
まだ正式に付き合ってない気がするんだけれど
クリスマスに一緒に過ごして
えっちする気なんだから
彼氏だよね。

自分でスッキリしてないけど
夢君は彼氏だろう。

「すみれちゃんと同じ高校?あの不良が集まる高校に行ってるんだって?信じられない。すみれちゃんってバカ?」

グサッ……とくるわ。

「頭のイイ子もいるよ」
ごく一部だけど
愛美ちゃんなんて、すごく賢いもん。
ムッとして言うと笑われた。

「彼氏がいてよかった。すみれちゃんが一夜さんを狙ってるんじゃないかって、一瞬思ったから」

「それはないよ!」

「そんな怖い顔で言わなくてもいいでしょ。すみれちゃんって乱暴」

あー言えば
こー言う。

つまり
好きなじゃない相手。無視しよう。
可愛けりゃいいってもんじゃない。

「私のパパが同系列の幹部なの。だからパパにお願いした。前に一夜さんと会った事があって、私のひと目惚れ」

ふーん。
関係ないけど。

「そしたら一夜さんに義理の妹がいるって聞いて……そんなの嫌。すみれちゃん邪魔。一夜さんに嫌われたらいいのに。ねぇ同じ家に住まないで、どこかに出て行ってよ」

「はぁ?」

「さっきもすみれちゃん以外のご家族と楽しく過ごしてから、ここに来たの。月夜君カワイイね。すっかり仲良くなったのよ私達。お母さんもお父さんも優しく私を受け入れてくれてる」

ムカムカする。

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