溺愛されてもわからない!




 バイト終了ーーー!

短気間なので
そんなには貯まらなかったけど
喫茶店のおばさんと娘さんに感謝され、バイト代も少し多くもらってしまった。

ニタニタしちゃう。

夢君のバイトも終わり
ふたりともフリー。
夢君も肉体労働、お疲れ様でした。

「今日来るだろ?」

21日の学校帰り

夢君に言われたけれど
今日は買い物という大イベントがあるのですよ。

この日の為にバイトしてたんですよっ!

「今日はクリスマスプレゼントを買う、大切な日だからダメ」

「せっかくバイト終わったのに」

「今日はひとりでこっそり、じーーっくりゆっくり選びたいの」
力を入れてそう言うと

「わかったわかった」
はいはいって
夢君はガンコな私に負けて笑う。

「買い物付き合う?月夜のプレゼントもあるんだろ」

「夢君の分もあるからダメ」

「わかった」
夢君は大きな手で私の頭をポンポンして「元気そうなすみれの顔、なんか久し振りで見る」って言ってくれた。

夢君にも心配かけた。

「元気だから大丈夫」

「すみれは元気が一番だな。それじゃ、買い物終わったら電話して」

「うん。ありがとう」

「俺はすみれのプレゼントはもう用意したから」

「え?何くれるの?」

「内緒」

楽しそうな声を出し
ふわりと赤い髪は目の前を通り過ぎて行く。

クリスマスも冬休みもやってくる。

夢君と2人で過ごすクリスマス……一夜は彩里ちゃんと過ごすのだろうか……私も覚悟決めよう。
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