溺愛されてもわからない!

お母さんと月夜はピザを買って来て、病室に美味しそうなピザの匂いがプンプン。個室でよかったー。

3人で楽しい時間を過ごしていると
スピーカーから
面会時間終了の放送が聞こえて
お母さんと月夜はおかえり準備。

「また明日な」
私が寂しいだろうと
自分のリュックから怪獣達を取り出しベッドに並べてくれた。
ありがたいんだけど
どうせなら
正義の味方を並べて欲しいのだが

怪獣ってトゲトゲしてるし
痛いんですけど。

「明日は退院だよ」

「そっか」

ぷにぷにほっぺをつまみ
私が笑うと月夜も笑う。

カワイイ弟だ。

「お兄ちゃんバイト終わったら来るから」

「バイト?」

一夜
バイトなんてしてるの?
お母さんの顔を見上げたら「あら?知らなかった?家庭教師のバイトしてるのよ。昨日はすみれが心配で休ませちゃったけど」って言った。

そうなんだ。
女の子と遊んでばかりと思ってたけど
バイトしてたんだ。

「あ、もう大丈夫だから来ないでいいって言っておいて。面会時間終わるから」

「わかったわ。じゃ、また明日来るね」

お母さんと月夜にバイバイして
私はベッドに入り

天井を見ながら
色々考える。
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