溺愛されてもわからない!
「約束は守る」
そっと一夜の指が私の額に触れ
柔らかい唇がその後に続く。
「20歳になるまで手は出さない。家族の前では、すみれちゃんと月夜と新しい兄弟のいいお兄さんになる。でも2人きりの時は溺愛するから」
「お父さんみたいに?」
「負けないよ」
ギュッと抱かれて耳元にもキス。
「僕の最大のライバルは父親かも」
タメ息混じりのその声がお父さんに似てるけど、あえて黙ってます私。
「椿さんに全部バレてたね」
「さすがお母さんだよ」
お母さんはしっかり私を見ていた。
嬉しいような怖いような
不思議気分。
ふたりでまったり笑ってたら
「おねーちゃん。てつだってー」
下から月夜の大きな声。
家族で過ごすクリスマス。
幸せな幸せなクリスマス。
神様。ありがとう。