溺愛されてもわからない!
 
「2人が月夜を見る目が優しいし、うちの和彦さんは椿さんに夢中」

「お母さんも和彦さんに夢中だよ」

とっても嬉しい話だけど
あの2人はお互い、好きです光線を出しすぎる。
こっちが恥ずかしくなるわ。

「すみれちゃんみたいな女の子は新鮮で楽しい。こんな可愛い妹ができて嬉しいな」

こーゆー時
何て返事をすればいいのだろう。

ずーっと一緒に過ごしていた男子とは全然違う。

男子とは
おマヌケで幼くて
気軽にふざけて
鬼ごっことか普通にしちゃうし
昔からの仲間意識が強いから
恋愛感情なんかお互いなくて
それこそ兄弟みたいなもんだったから

こっちの方が本当に義理でも兄妹になったというのに
ドキドキで
危険な香りがプンプンするのはなぜでしょう

一夜がエロいせいです。

「すごく可愛がっていい?」

「いっ……いや、けっこうです。遠慮します」

ジリジリと笑顔で私に迫る一夜。

「溺愛していい?」

新しいおもちゃを見つけた子供のように
キラキラした目で私を見つめる。

怖いよー。

都会って

怖いよーーー!!!
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