溺愛されてもわからない!

和彦さんはお母さんに『旅行に行きましょう』って話を進め、お母さんは大喜び。
まぁそれはいいんだけど

「ごめんね。すみれも連れて行きたいんだけど」

言葉だけ申し訳ないアピール。
でも目の前で
ニコニコ笑顔でスーツケース引っ張り出すのね。

「和彦さんの叔父様にご挨拶しに行くの。お土産買って来るね。叔父様は何が好きかしら?でも気むずかしい叔父様みたいで、私はただ黙って笑顔を見せるだけでいいんですって。無口な女性が好きみたい」

ナイス和彦さん。

「そうだよお母さん。あっちじゃ和彦さんに迷惑かけちゃいけないから、絶対笑顔だけ見せて黙っていてね。大人しくして気に入られなさい」

私も念を押す。
私が付いてないと
何かやらかしそうで怖い。

「すみれはお留守番していてね」

今度は私が念を押された気分。

いやおかーさん。無理っ!

エロ一夜と一緒に夜を過ごすの嫌!
乙女な私が襲われてもいいの?
初ちゅーも奪われたんですけど私!

思いきり反対したい

けど
嬉しそうに荷造りするお母さんを見てると

言えない。



< 73 / 442 >

この作品をシェア

pagetop