溺愛されてもわからない!

「携帯を自分で壊したようで、手続きと書類とか面倒なので呼び出されました。まったく……」

「自分で壊したんですか?」

「珍しくね。初めてかな?」田中さんに同意を求めると「はい。一夜さんはああ見えて繊細で几帳面な方ですから」って私の顔を見てそう言った。

私をかばってくれたんだ。

申し訳なさすぎる。

「和彦さん。それって違うんです。それは私が……」と、思いっきり自分の悪事をザンゲしようと思ってたら「おかえりなさい。和彦さん」と、お母さん登場。

するともう

組長デレデレ
私なんてフレームアウト。

「椿さん。来週の用意で足りない物はありませんか?」

「大丈夫です。今から楽しみです」

「自分もです。自分も椿さんと出かけるのが楽しみです」

「私もです」

見つめ合って
見つめ合って

見つめ合いすぎ。

ダメだ

話もできない。
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