溺愛されてもわからない!
二泊三日のお留守番

次の日。
太陽さんが元気に輝いてるよ。
秋晴れのいい天気。
朝はちょっと寒かったけど、今は気温も丁度よし。
お散歩日和。

新しいスニーカーをはいて
ニベアで保湿オッケー。
ピンクのリップも塗りました。
玄関姿見で全身チェック。

昨日と同じ白パーカーだけど
気に入ってるからいいだろう。

雫さんみたいにメイクした方がいいのかな
田舎じゃ誰もしてなかったから
出かける場所もなかったし
メイク道具持ってないんだ私。
メイクのやり方もわからんし。

和彦さんからもらったお小遣いで買おうかな
いや
なんか使えない。

だってまだ
『和彦さん』って呼んでるもん私。
『お父さん』って呼ばなきゃダメなのに、きちんと『お父さん』って呼んでないから、使うのも申し訳ない気がする。食べたり飲んだりに使ってるけどさ。

バイトしようかな。

そんな事を考えてたら

「すみれー。どこ行くの?ヒマなら遊んでやるぞー」

廊下の奥から幼稚園児の声が私に届く。
遊んでやるぞ……上からだな。

「散歩から帰ってから遊ぼうねー」

月夜にそう叫んでから
逃げるように走って私はたい焼き屋さんに向かう。

顔がニマニマでドキドキしてます。

< 99 / 442 >

この作品をシェア

pagetop