Turquoise Blue 〜空色のベース〜
「…その彼氏サンにはさぁ
もう話したのかな」
「…まだ…です」
「病院に行って、
調べた?」
「…まだ…何にも
最近…来てなくて
気持ち悪くなりはじめたのは
二週間位前からで…」
「それで
キーボードとか
運んじゃ駄目じゃない」
「………」
「…彼氏サンは何歳?」
「19歳…」
「俺より四つ下かあ
何やってる人なのかな
学生さん?
勤め人?」
「コックやってるとか、
言ってました…」
「むむ。
『とか、』とか
あまり付き合い、
長くないのかな?」
「春くらいまで…
うちに良く来てたお客さんで…
店変えて、東京行くって
わざわざ定休日に
言いに来てくれて…
ずっと好きだったって…」
「…なんか
そんな雰囲気に
なっちゃったんだ?」
− ユリちゃんが
コクリと頷いた
「最近…忙しいのか
連絡ずっとなくって…
メールもほとんど、返って来なくなっちゃった…」
緑川さんは、
頭をポリポリと掻く
「…男ってさ
本当に
自分のやりたい事、一個見つけると
もうそれだけ〜〜!!
みたいに
なっちゃう奴、多いのね
他の事
本当に何にも出来なくなって
しまうのよ
メール返す事すら、怠いの
好き嫌い抜きにしてね
十代なんて
もうほんとにそんな感じ
…だから、
もし付き合い長くて
そういう
直線的な人って感じなら
ちゃんと連絡してみたら?って
思ったんだけど…」